「ぼくもさ、自分の名前好きだよ。

あんずから、初めてもらった大切な贈り物だから」


そう。あんずは、海や川が好きなんだ。

だから、海から、マリン。

ぼくの名前になった。

女の子みたいだけどかわいいから別にいいよねって、

当時まだ小学生だったあんずはやっぱりはにかんだように笑った。


「名前ってのは、大切よね」


そう、ミールもこくんとうなずいて言う。


ミールの後ろで、澄んだ澄んだ水がきらめきをはなっている。

クリスタルリバー。


あんずがいつか、語った夢だった。

クリスタルリバー。


どうしてぼくは、ここにいるんだろう。