「ずっと見てたよ、マリン。

あんずちゃん、笑ってたねぇ。幸せそうに」

「うん」

「約束は破っちゃだめよ。

これからずっと、

マリンは空から、あんずちゃんを見守るの」

「それはぼくの望みでもあるから。

幸せだな、ぼく」

ミールは嬉しそうに漆黒の身体を震わせる。

「あたしもね、

大好きだったご主人さまのこと。

……思い出したよ。

きっと、伝わってたよね。

言葉はなくても……

あたしの、気持ち」

「絶対ね」

ぼくたちは優しく微笑み合った。