ちょうどこの頃くらいから、ぼくは自分のからだが急速に衰え始めているのを感じていた。

庭のベンチに飛び乗ることができなくなって。

昼寝の時間が長引いた。

もうお気に入りの原っぱまで歩く体力さえなかった。

長く散歩すると息が切れるようになって。



ぼくはどんなにからだが気怠くなろうとも、たったひとつ、しっぽをふってあんずに気持ちを伝えることだけは忘れなかった。