あんずはぼくがなでられてうれしい場所をちゃあんと知ってた。

「しっぽと手足の先は、さわられるの嫌なんだよね?

で、ここが好き。でしょ?」

きらりと光を放ついたずらな瞳を向けて、あんずはぼくのあごの下、柔らかい首の部分を優しくなでた。

あんずが少しなでる手を止めれば、ぼくはすっとあごをあんずの手に押し当てて、「なでてなでて」っておねだりするんだ。

そうすると、ふってあんずは笑みをもらして、

「ほんとかわいい、マリン」

って、そう言ってなでてくれたね。