「はじめまして」

いたずらな瞳でぼくをのぞきこむ。

ショートカットがよく似合う、小さな女の子。


これは……

はじめてあんずに会ったときの記憶だ。


「私はあんず。

あなたの名前は、マリンね。

私が決めたんだよ。

かわいい名前でしょ?海って意味があるんだよ」


マリン。

それが、ぼくの名前。

小さなしっぽを遠慮がちにふって、

うれしいよって、あんずに伝えたんだ。