「訂正しろよ。そしたらあと一発で許して
 やる」



「ふざけんなよ。てめぇ。いつもみたいに
 お前がどっかふらついてればよかっただけの
 話じゃん。お前がいなきゃ平和なんだよ」



「俺のことはいいんだよ!さっさと謝れっつってんだ!!
 早くしろよ!!」



「うっせぇなぁ。とっくに死んでんじゃん。
 謝りようがねぇだろ。バカかお前」



「……っのやろっ!!!」



ひゅっと風が空を切る。


どうして?
どうしちゃったの?宮原くん。


こんな、周りが見えなくなるくらい、
あなたは何に怒ってるの?



そして、どうしてあたしの話題がこの場にでるのか
わからない。


何が起こったの?


教えて?宮原くん。


『宮原くんっ!!!』



あたしは思い切り叫んだ。
宮原くんの背中にしがみつく。


こうするしか、気付いてもらえないと
思ったから。








「は……っ。くそ…っ!!」








宮原くんは、殴らなかった。


目の前の傷だらけになっても尚、
宮原くんを冷たい目で睨みつける相手を
振り払うようにして、


舌打ちをした。



気付い…てくれた?


やっと、届いた?


あたしの声……。