私、杏子-アンズ-は
舞都高校二年の春を迎えた。
春休みボケが抜けず、
私は新しいクラスの席から、窓の外の春の独特の暖かな日差しに目を細めていた。
ぼんやりしていたら、誰かに肩をたたかれた。
友達の蒼羽-アオバ-だった。
私は、友達が少ない。
と言うか、いらないから作らない。
蒼羽はそんな私の幼なじみで、少ない友達の一人。
「おはよー、ヤバいよ!
私、また見つけちゃったんだよね♪」
蒼羽は嬉しそうに、
ものすごく分厚い本を私の前に広げた。
私はふと、蒼羽の後ろの方に目をやった。
新学年という事で、皆はアドレス交換している。
蒼羽は、可愛いし根が私みたいに暗い訳じゃない。
欠点は、ものすごく鈍感だってことと………