「あぁ。資料ね」

オレは頷きながら資料を受け取る。

樹里は部長に頼まれ、オレの所に資料を持ってきてくれたんだろう。

「じゃあ。失礼します」

「お疲れ様です」

樹里に向かって、村中が言う。

クルッと樹里が背を向けた時だった。

「佐伯さん、あたしパスタ食べに行きたいんです」

村中が口を開いた。

「もう、何おごってもらうか考えてるのかよ?」

ヤバいな…。

オレは村中と飯食いに行く気なんて、サラサラないんだけど。

そう思った時。

バタン!

と、勢いよくドアが閉まった。

樹里は村中とオレがご飯に行くと思って、怒ったのか?

オレの自惚れだろうか?