でも興味なんてない。

昔のオレなら、悪い気はしなかったと思う。

一夜限りの関係ならって考えてた。

けど、オレは変わった。

樹里以外の女なんて興味ないんだ。



「佐伯さん。書類作成しましたよ」

「村中。早いな。助かるよ」

「今日、手伝ってるんですから、帰りにご飯おごって下さいね」

「考えておくよ」

オレがそう言った後だった。


「あの、すみません!」


大きな声がした。

そして、声のした方を見ると、樹里が立っていた。

何だか機嫌が悪そうだ。

「これ、部長に頼まれた資料なんですけど」