残業ないならとっとっと帰れよっていう話だ。

時間の無駄使いもいいところだな。

しまった。

どうせなら、先輩に書類作成手伝ってもらえば良かった。

今頃気付くオレだった。


「佐伯さん、何からしたらいいですか?」

「そうだな……」

オレは指示を出した。

「分かりました」

村中は笑顔で答えた。

今日の残業の相手──村中。

この子は、オレに気があると噂があるのだ。

噂はずっと前からだ。

今に始まったことではない。

確かに美人だしスタイルもいい。

読者モデルもやってたこともあるらしい。