でも、嫉妬で苦しいんだよ。

嫉妬深いオレに樹里が幻滅するのが怖いんだよ。



しばらくの間、沈黙が続いた。

昨日まであんなにうまくやっていたのに……


そして、沈黙を破ったのは樹里だった。

「亮二が終わらせたいと思うなら、あたしたち終わらせよう」

「樹里…」

「原因を作ったのはあたしだもん。あたしはどうこう言えない」

「そうか…」

「少しの間でも、あたしのこと好きになってくれてありがとう。
こんな普通の女には、やっぱり亮二みたいなイケメン彼氏はもったいないよ」

樹里は落ち着いた口調で言う。

オレは何も言わず、玄関の方へ向かった。