急いで駐車場へ向かう。
車のエンジンをかけて樹里を待つ。
一体、誰の見舞いに行こうとしているのだろうか?
そればかりを考えながら。
少しして樹里が来て、車に乗るなり早速気になっていることを聞いた。
「知り合いって誰?」
「……」
「元カレとか?」
「違う」
会社の人でもなく。
元カレでもない……
オレは、ふとある男の顔が浮かんだ。
「まさか、オレが前に会ったことのある男とか言わないよな?」
「……」
「あいつかよ!? 林とかいう奴」
「…うん。胃潰瘍で入院したんだって」
オレは愕然とした。
林という男。