オレと樹里は、順調そのものだった。
大きなケンカもなく、うまくいっていた。

楽しい毎日があっという間に過ぎていき。
クリスマスがやって、新しい年を迎えた。

オレは、去年以上に樹里と楽しい時間を過ごせると思っていた……

あの事が起こるまでは──

それは、年が明けて、少し経ってからの事だった。






「お疲れ様でーす」
「お疲れー」


仕事終了時間。

みんな口々に言いながら、事務所から出て行く。

昨日まで、残業続きだったオレも今日は定時で帰れそうだ。

樹里と一緒に帰ろうと思い電話をかけようとしていたら、

オレの電話が先に鳴った。

着信は樹里。