聞き間違いじゃないよな?

「何だ、樹里オレのこと好きなんだ」

「いや…あの…これは…」

「取り消しなんてさせないよ」

「……」

一瞬の沈黙の後。

「すっげー、嬉しいよ!」

オレは樹里を抱きしめる。

「待って。佐伯がどうして女の子たちとご飯食べに来たか聞いてない」


そう言いながら、樹里が体を離した。

どうやら、まだ合コンと疑ってるようだ。

「あぁ。同期のメンバーの1人が、女の子に話したらついて来たんだよ」

オレは続けた。

「オレは女の子がいるなら早く帰るつもりだったから」

「本当に?」