樹里と目が合う。

「樹里…」

「佐伯」

オレたちは、互いに呆然としていた。


「佐伯さん、座って下さいよー」


テーブル席に座っている、村中さんがオレに言った。


でも、今のオレはそれどころじゃない。


「樹里」

オレは樹里に駆け寄った。

「合コンかな? 楽しんできたら?」

誤解している。
完全に誤解している。

一緒に飲んでいた、男達三人をチラッと見た。

1人の男と目が合った。

すると、

「あのー、オレたち、明日も仕事なんで帰るから。また店で会ったら飲もうな」