樹里ちゃんの住んでいる、アパートとオレの住んでいるマンションは、割と近くだった。

「送ってくれてありがとう。パスタも美味しかった」

「また誘うよ」

「えっ?」

樹里ちゃんは、予想通りの反応をした。

「樹里ちゃん彼氏いたりするから、困るかな?」

この際だから探りを入れてみることにした。
すると……

「彼氏はいないよ」

と、即答で返ってきた。

「本当にいないのか?」

「いたら、ご飯食べなんて行かないよ」

「なーんだ。じゃあ、オレ口説いていいんだよな?」

「はっ?」

「すっげー、嬉しいんだけど!なんだ。もっと早く声かければ良かったよ!」

「佐伯くん、それじゃあまるで、あたしのこと…」