「本当だよ。オレ遊んだりしてないから」

「うん…分かったから」

「誤解しないでほしい」

「佐伯くん、分かったから、ね?」

「樹里ちゃんだけには、分かってほしいから」

「え?」

「オレ、樹里ちゃんだからご飯誘ったんだよ」

こう言えば。
オレの気持ちに気づくかと思いきや、言葉の意味を理解している感じはなかった。

「樹里ちゃん、鈍いね」

「鈍い?」

「うん。鈍いよ」

樹里ちゃんは、首をかしげていた。

それから、車をスタートさせ、樹里ちゃんにアパートの道案内をしてもらった。