「でも、いつか、改めてプロポーズするから、その時は寝込むなよ」

「うん」

樹里が半泣き状態になり、布団で半分顔を隠した。

「また泣いてるし。どうした?」

「…側にいて」

「いるよ。ここに」

ベッドに腰かけていたオレは、布団の中に潜り込んだ。

「亮二、風邪移るかも」

「今更だろ? それに昨日も一緒に寝たし」

「帰ってなかったんだ?」

「うん。途中で樹里の体が熱いから、目覚めて汗吹いたりしてたよ」

「…亮二に迷惑かけてばかりだね」

「いいんだよ。オレが勝手にやったんだから」


迷惑かけてばかり……って。

そんなこと気にする必要なんてないのに。

オレ達はこれから、助け合って生きていくのだから。

そんなこと思いながら、樹里の手を握りしめた。