「いや。気が早い話だから、いいんだ」

「余計に気になる!」

「やっぱ。この際だから言っとく」

オレは自分に言い聞かせるように言った。

そして、樹里をじっと見つめて、


「樹里。オレと結婚して欲しいんだ」


そう。オレが伝えたかったことは、この言葉だった。

「け…結婚!?」

「一緒に暮らして、何年後かの話だよ。今すぐとかじゃないから」

「うん…」

「オレ樹里といると素の自分でいられる。今までつき合った子はどこか気を遣ったり、いい男を演じたり」

オレは続けた。

「でも、樹里は違うんだ。いつもオレのままでいられる。本当に居心地よくて…」

その時、樹里が泣いてるいるのに、気づいた。

「……っ」

「ごめん。結婚なんて気早過ぎだよな。プレッシャーかけたな」

「違うもん」

「樹里?」

「嬉しいの! そんなことまで考えててくれたんだって…」