「オレあの時、すっげー緊張してたんだぞ」

「えー? 見えなかったよ。むしろ慣れてます的な感じがした」

「そいうふうにしないと、オレが持たなかったんだよ」

そう言って、オレは樹里の肩を抱き寄せた。

「突然、口説いていい? とか言ってきたよね?」

「だって。彼氏いるとばっか思ってたんだよ」

「もし彼氏がいたらどうしてた?」

「奪ってた。樹里と話してみたら、絶対彼女にしたいと思ったから」

「良かったね。色々ありつつ半年間の片想いが実って」

樹里がオレの頭をなでてくる。

「こらっ。からかうな」

「明日、あかねに話そうかな」

「やめろ!」

樹里の親友の、三浦あかねになんか話したら、噂になりそうで怖い。