「だから、さ…」

「まさか、あたしに半年も片想いしてたとか?」

「そうだよ」

オレは観念した。

「嘘でしょ!?」

「嘘じゃないよ」

「えー? そんな前からなの? でも接点なんてなかったよ。事務所で顔を合わせるくらいだったよね?」

「まぁな。樹里は覚えてだろうけど、一回ご飯にも誘ったこともある」

「本当に?」

「本当だよ」

樹里はやっぱり、なにも覚えてないようだった。

だから、オレは半年以上も前のことを打ち明けた。

オレが腹痛でうずくまっていて、樹里が声をかけてくれたこと。

そして、救急車を呼んでくれたこと。