「しっかし、会社１のモテ男が片想いで悩むとは、面白い話だな」

啓介が２本目のタバコを取り出しながら言った。

「面白がるなよ」

「亮二、片想いなんて初めてとか言うなよ」

「…いや、初めてかもしれない」

「マジかよ!?」

「まさか、このオレが片想いする日がくるなんてな」

「自分で言うなよ。モテモテな人生歩んできた男は言うことが違うな～」

「はぁ…。片想いってこんなもどかしいんだな」

「もどかしいし、胸も苦しいだろ？」

「苦しいし、切なくなることもあるよ」