──翌朝。


バタン…

玄関のドアが閉まる音で目が覚めた。

隣で寝ていたハズの樹里の姿がない。

どこへ行ったんだろう?

でも、樹里はちゃんとここに帰ってくる。

少し前のオレなら、樹里が隣にいないだけで、不安になっていたな。

オレのこと嫌になって、出て行ったんじゃないかって。

しょうもないこと思ってたな。


寝室を出て、洗面所で顔を洗って、リビングでテレビを観ていると、玄関のドアの開く音がした。

手に買い物袋を下げて樹里がリビングに入ってきた。


「亮二。おはよう。早起きだね。まだ6時過ぎだよ?」

「玄関のドアの閉まる音がしたから、目が覚めた。どこに行ってたんだよ?」