もう絶対に離したくない──。

失いたくない──。



その夜、オレは樹里を抱いた。



「はっ…あん。亮二……もっと突いて……」

「エッチだな樹里」

「エッチにしたのは亮二なんだよ」

「責任取ってやるよ」

そう言って、樹里の上でオレは激しく揺れた。

樹里の喘ぎ声が響く。

2人に例えようのない快感が襲いかかってくる。

やがて、共に絶頂を感じてイキついた。

事を済ませて、オレ達はお風呂に入り、向かい合わせで浸かっていた。


「なぁ? 樹里、今度から小さなことでも、不安を感じたら言えよ」

「どうしたの? 急に?」

「いや、なんか、オレ達って不安要素を持ったまま、つき合ってたから終わるハメになったのかなって」

「亮二はあたしの気持ちを不安に感じて、あたしは村中さんの噂のことで、不安になってたんだもんね」

「そう。だから不安要素はすぐに取り払わないといけないな」

「だね。でも亮二が不安になってたなんて思わなかったけど」

「なんで?」

「会社で人気を1、2を争う亮二なら、自信満々だと思ってた」

「そんなわけないよ」