樹里は目を丸くした。

知らなかったのか……。

何度かオレは、樹里のことを話題にしている、会話を聞いたことがある。

樹里に言った通り、『可愛いらしく感じのいい子』──口を揃えて言っていた。

深い意味で言っているつもりはなくてもいい気はしない。


「だから、変な男が寄り付かないように、キスマークつけさせろ~」

おどけながら、オレは樹里を押し倒し返して、樹里の首筋を吸い付いた。

「つけたぞ。樹里」

「なに自慢気に言ってるのよ?」

「オマエはオレの女だからな。もう簡単に手離したりしない」

「あたしも簡単に離れないから」

樹里がぎゅっとオレに抱きついてきた。