「外寒いから入れろよ。風邪ひくし、近所迷惑だろ?」


樹里は仕方なさそうに家に入れてくれた。


部屋を見ると、すごい勢いで散らかっていた。

テーブルの上を見ると、食べた後のカップ麺がそののまま。

敷きっぱなしの布団の上には、洗濯物がゴチャゴチャ。

枕元には雑誌が何冊か散らかっている。

「見事に綺麗な部屋だな」

オレは笑った。

「嫌なら帰れば?」

「せっかく、入れてもらったのに帰らないよ」

あぐらをかきながら言う。

「てか、なんの用事? 村中さんと楽しそうにご飯食べに行く約束してたくせに」

オレと樹里は向かい合わせに座った。