「寺原さん、今日も可愛い顔して仕事してたな」

会社の喫煙ルーム。
仕事終わりの一服。

「そう思うのはオマエだけだろ?」

啓介が笑いながら言う。

「啓介はいいよな。寺原さんと同じ部署で働けて」

篠田啓介は、オレと同期入社で仕事仲間で唯一オレが寺原さんに片想いしていることを知っている。

「亮二、 オレ協力しようか? 寺原をオレがご飯食べに誘うから、そこから仲良くなれるかもしれないぞ?」

「いや、いい」

せっかくだが、断った。

「なんでだよ?」

「寺原さん、彼氏いるかもしれないし」