ようやく家に着くと、お母さんが迎えてくれた。
「遅かったわね。心配したのよー。あら?どなた?」
お母さんが尋ねると男の子は私の後ろに隠れてしまった。
「迷子みたい・・・。だから、ちょっと村長のところに行ってくるね!」
「わかった。気をつけてね。」
「はーい。じゃあ行こうか?」

そう言って、中心部へ向かった。
男の子はショウくんと似て、恥ずかしがり屋さんだった。
「名前、なんていうの?」
「僕の?」
「うん。」
「リョウ」
「リョウくんかー。私は、エミーよろしくね。」
「よろしく。」
そんなたわいもない会話をしていると、
どこからか声が聞こえてきた。

「リョーーーーウ。どこだー?」
よくみるとショウくんだった。
すごい必死に探していた。
「あ、お兄ちゃん!」
「どこ行ってたんだよ?心配させんな。」
「ごめんなさい。」

リョウくんが、無事に帰れたことを確認すると、私は家へむかった。
「おい!」
後ろから声がして、振り返るとショウくんだった。
「どしたの?」
「あ・・・その・・・・助けてくれてありがとうな。」
「全然大丈夫だよ。弟くん大好きなんだね。」
「ああ。」
「じゃあ、私急いでるからじゃあね。」
手をふって、また家へ向かった。
「おう。」
やっぱり兄弟だな。
二人共顔を真っ赤にして、しゃべる。