「俺、見てたんだよ?梨桜が佳主馬と、体育館裏でキスしてるの」

 見られてたの…?

「ち、違うの!あれは…!」

「何が違うわけ?」

 だって、あれは――。

「だって――「いいよ、もう。俺のこと、嫌いなんだろ、どうせ」

 龍太が拗ねたように言って、立ち上がる。

「りゅっ――「俺、帰るわ。俺はおまえのこと好きだけど、お前は俺のこと、嫌いなんだろ?だったら、話し合ったって無駄じゃん」

 龍太の言葉が、胸に突き刺さる。

 私は、龍太のことが大好きで、龍太も私のことを好きなんだ…。

 どうして、こんなにすれ違っちゃったのかなぁ…。

「ねぇ、龍太!」

「いいと思うよ、梨桜と佳主馬。美男美女でお似合いだしさ。それに、佳主馬になら、梨桜を取られたって、かまわない」