梨桜SIDE

 文化祭当日。

 文化祭が始まってから、もう二時間。

 私の仕事時間まであと三時間。

 だいぶ暇だよぉ。

「梨桜、あの店行かない?」

 私は財布を開けた。

 お小遣いの残りは、三千円。

「でも、もう三千円しか残ってないよ」

 持ってきたお小遣いの半分以上を浪費している。

「じゃあさ、俺が奢ってやるよ」

「え?」

「俺さ、一万円持ってきたんだ!」

 そういえば、佳主馬くんは御曹司だもんね。お金持ちって、羨ましいなぁ。