佳主馬くんは悲しそうな顔で、立ち上がった。

「姫はさぁ?なんでそんなに一途なわけ?」

 一途…?

 私って、一途かな?

「なんで?」

「だってそうじゃん。小さい時から、ずっと姫の目線の先には龍太がいた」

 げ…ばれてる!

「な、なんでそれをっ!?」

「姫を見てたらわかるよ?…だから俺、昔から、姫の気を惹きたくて、姫が喜ぶことばかりしてた」

 佳主馬くんはそう言って、舌をチョロっと出した。

 それから、ロッカーの方に歩いていく。

「でもさ、一途なところも姫のいいところの一つだよね」

 振り向いてから、佳主馬くんは言った。

 佳主馬くんの、意外な告白に、私は驚いて、しばらく思考を停止させてしまっていた。