龍太SIDE

 先生が入ってきた。俺のまわりにいた女が席に戻っていく。俺の中じゃ、女なんてどいつも同じようなもんだ。

 ひときわ、梨桜だけは特別だけど、それ以外なんて本当は眼中にもない。

 世間で騒がれるようなアイドルたちだって、正直言えば、どこがかわいいのかわからない。俺の中では、梨桜だけがかわいくて、特別なんだ。

「学級委員を決めるぞ」

 先生は、俺らとあんまり年の差がなさそうなイケメン先生だった。女たちが、目をハートマークにして先生を見つめる。

 梨桜だけは、キョトンとした顔で先生を見ていた。それを見て、俺はホッとした。

「男一人、女一人な」

 俺は手をあげようか考えた。梨桜が上げるなら、俺も上げる。