しみじみと仲間のありがたみを感じ入っている花倉に、最後まで残っていた星川が電話を促した。

「カードの方、やっとくから」

「あ…ありがとう星川さん…恩に着るよ…」

「うん、恩に着てね…今度学食のAランチおごってくれたら、チャラにするから」

テキパキとカード会社に電話をしている星川が、ニヤリと笑って花倉を見た。

「了解…」

とほほと苦笑いしながら花倉は、土下座をする真似をした。

『光の庭』と言う名のサークルが結成され、部員も八人そこそこ集まって来た頃に起こった出来事だった。



「…あれ?みんなは?」

遅れて来た副会長の竹本が、首を傾げながら入って来た。

『光の庭』創立の立役者の一人だ。

冗談のように立ち上げたサークルはナゼか人が集まり、それぞれが『庭』の記憶を語るのだった…

少しずつだが、図書館の詳細…あの図書館が、何のためにあるのかも分かってきた。

それから、あの並木道の向こうに何があるのかも…