「悪い…あはははは」

空にまで届くかと思うほどの笑い声を上げて、星川は腹を抱えて大爆笑した。

「し…死ぬ…腹筋痛い…息が出来な…い」

引き笑いをして、目には涙を浮かべている…

″…こんな人だったっけ…?″と花倉は心の中で毒づきながら、さらに顔が真っ赤になった。

「あ〜もう君とは一緒に転生しないよ…してやったりでしょ?面白かった?」

完全にふてくされた花倉が、涙目になると言った。

「…ゴメン…それはダメ…」

星川は背中を向けてしまった花倉に手を伸ばすと、後ろから抱きしめた。            

突然の事に耳まで赤くなった花倉は、何も言えず押し黙った。

風が優しく吹いて、二人の上に桜の花びらが舞い降りて行く…

聞こえてくるのは、心地良い噴水の水音で、どれくらいそうしていたのか…

「…ズルイ…」

花倉があきらめたように、先に口を開くと星川は応えた。

「…知らなかった?」

「うん…」


青い二匹の蝶々が二人の周りをヒラヒラ舞うと、天高く青い空へと消えて行った…


(終わり)