花倉が謝ると、星川は首を横にふった。

「…気持ちは、ずっと分かっていたよ…賭けは君の勝ちだ…君の願いは何?」

星川は、フッと微笑んだ。

「…じゃあ一つ聞いていい?…自分の事、どう思ってる?」

花倉は一度も口にした事のない質問をした。

「え…今さら?」

「聞いた事ないから…言葉で」

「そうだっけ?」

「ヒドッ…本当ヒドッ…」

星川は少し考えてから立ち上がると、ゆっくりと歩いて花倉の前に立った。

「…いいけど、ここでいいの?さっき言ったけど、ここでの事は忘れる事になるけど?」

「うっ…そうか〜忘れちゃうのか…」

う〜んと、真剣に花倉は悩み込んだ。

「ははは…好きなだけ悩んで…」

星川は楽しそうに笑った。

「じゃ、じゃあね…」

花倉は心を決めたらしく、真面目な顔をして星川を見ると言った。

「今、ここで…」

「…分かった」

星川は了解すると、右手を伸ばして花倉の左肩に手を置き…顔を近づけると、耳元でささやいた。