「一緒にいる事で、相手を傷つけてしまうケースばかりだった…だから相手のため、相手のためと言い訳する事が出来た…でも今回は違った…言い訳が出来なくなると、自分の心の闇を見ざるおえなくなった…ビックリした…予想以上に深くて…」

星川の思わぬ告白に、花倉は驚きを隠せなかった。

「あ…ここで話した事は、忘れる事になってるから…」

ご心配なく…と目が言っている…

「…賭けが破棄された後、素直に動けない自分がいた…大切なものほど失うのが怖くて、手を伸ばす事が出来ない…笑えない…」

笑えないと言いながら、星川は笑った。

「…さて、本題に入ろうか…賭けの勝敗だけど、花倉君の勝ちでいいよ…」

「でも、途中でギブアップしたし…」

「はじめから勝敗は、どちらでもかまわなかった…自分に証明したかったんでしょ?自分の気持ちを…」

「うん…それもあるけど、思い知って欲しかった…君は昔から自分が想われてるって、あまり信じてなかったでしょ?…それと気づくのがかなり遅れた、ゴメン…つらい思いをさせたね…」