仕方なく目の前の噴水に目を移すと、青い蝶々を目で追う…

「…キレイだね、この庭は…」

星川は目を細めて、まぶしそうに庭を見つめた。       

「うん…」

そこは花倉も素直にうなずいた。

「…賭け…途中でやめたでしょ?」

星川がさらっと、核心をついた質問をした。

「そこまで分かるの?どんだけ仕込んどいたのやら…」

花倉は心底驚いて、星川の根回しの良さに感心した。

「…そこは何もしていないよ…ただ結婚して子供を産んだ後、体が動かなくなる病気になってね…」

「え…」

「ある日、突然治った…医者が驚いていたよ…原因はストレスだって…一つ思い当たるとしたら、賭けの破棄か終了かな…って」

星川は淡々と説明しながら、さらにつづけた。

「ホッとしたよ…花倉君が早く解放されれば良いと思っていたから…予想外につらかったでしょ?」

花倉はさらに核心をつかれて、胸を押さえるとうなずいた。