「でも今回、花倉さんが出てくれて良かった〜みんな喜ぶよ?何てったって創立者だからね〜?」

「それは君もでしょ?竹本さん」

花倉は苦笑すると、音信不通の星川の事を思った。

″…自分の中で区切りをつけようと思って、参加を決めたのに音信不通とは…″

二人に気づかれないように花倉は、ため息をついた。

″…ま、いっか…″

楽しそうに光の庭の話をする二人を見て、久しぶりに学生時代の雰囲気を思い出していた。





「…久しぶり…」

桜の花びらが舞い散る中庭のベンチに、足を組んで座っていた女が手を上げると、ニヤリと笑った。

「…どうしてここに星川さんがいるわけ?」

信じられないといった感じで言った後、花倉は大きなため息をついた。

「…もしかして、これが思いついたっていう、いい事?」

答えない星川のイタズラっぽく笑っている顔を見て、花倉は頭をかいた。

「…座ったら?」

嫌そうな顔をして立ったままの花倉に向かって、星川は座るようにすすめた。

花倉はあきらめて隣に座り、相手の顔を見ないように頬杖をつくと呟いた…