「マジっすか?それって、すごい事実ですよ?今までの報告で、扉の向こうに行ったって話し聞いたのはじめてっす!」

超感激した伊勢が、花倉を尊敬の眼差しで見つめた。

「さすが、初代会長ね〜」  

竹本も感心しながら、うなずいている…

「あ…でも、星川さんの方が…」

自分よりも詳しく知っているハズ…と、言いかけてやめた。

「え?星川先輩が、どうしたんすか?」

「いや、なんでもないよ…そう言えば、彼女に連絡取れた?」

「ううん、それが誰も連絡が取れないのよ〜メールアドレスも変えちゃったみたいだし…」

幹事の竹本が答えた。

「そっか…」

「どこにいるんすかね〜星川先輩…」

伊勢が、遠くを見ながら言った。

音信不通になるOBやOGが、いない訳ではない…

その辺は適当に運営してきたサークルなので、めずらしくはなかった。

「実家とか引越しされちゃうと、アウトよね〜結婚とかすると余計ムリ〜」

一度もサークルのOB会に出た事のなかった花倉は、竹本の苦労が垣間見えた。