「ある…ハズなんだけど、思い出せなくて…もし自分が勝っていたら、再会するシナリオなんだけど…」

「ふ〜ん、じゃあ、花倉の負けって事か…」

「…たぶん…」

「彼女と連絡は?」

「…音信不通…」

花倉は頭を抱えた。

「という事は、花倉と一緒にいる未来のシナリオを、書かなかったって事か?」

「…やっぱりそう思う?」

「かもね〜でも、花倉に自由になって欲しかったのかもよ?女は、私一人じゃない…みたいな…」

花倉は思いもしなかった事を言われ、目を見開いた。

「…なるほど…さすが安達、視点が神…」

「はっはっは〜敬いたまえ〜」

花倉が賭けを破棄してから数年経っていたが、何も変わらない日々が過ぎていた。

彼女のウワサを聞く事もなく、光の庭の夢もあまり見なくなっていた。

「…そう言えば…この前見た夢、なんかすごく重要な内容だったような…」

時々時間が経ってから、光の庭の記憶を思い出す事があった。