「…いたんだ、自分の他にも…」

キャンパス内にあるカフェで、自分は感嘆のため息をついた。もちろん授業はサボリだ…

「私も驚いたよ、けっこー他にもいるかもね?」

嬉しそうに話す竹本さんは、興奮冷めやらぬと言った感じだ。

「でも、たったあれだけの情報で、どうして『光の庭』の事を言ってるって分かったの?」

自分は、当然過ぎる質問を口にした。

「え…カン?」

「え…カンだったの?竹本さん、不思議系とか呼ばれた事ない?」

「うん、どうして分かるの?すごいね、花倉さん」

深く考えなくても失礼な事を言った自分に対して、無邪気に竹本さんは感心している…

「うん…いいんだけどね…」

頬杖をついて、ガラス張りのカフェの向こうに広がっている中庭を見つめた。

まさか竹本さんが…って事は、ないよね…話しが出来過ぎている…ってゆ〜か、ありなのか?あの世界の設定では…


「…あそこって図書館ですよね〜円形の…古城マニアからすると、ヨダレ物の建築様式ですよ〜!現実に、あの広さで造ったら、お金いくらあっても足りませんよね〜」

竹本さんは、うっとりしながら、あの図書館の事を思い浮かべているらしい…

ナゼか敬語だ。