″まさか自分がこんなに、一人の人を想いつづけるとは思わなかった…″

あまりのショックに、寝返りをうつ事も出来ない…

正確に言うと、花倉は一筋だった訳ではなかった。

付き合ってみた事もあったが、本気になる事はなく今に至る…

彼女いない歴が恥ずかしくて言えないほど、彼女以外を好きになる事はなかった…

「卒業後の告白メールは返信来ず…新年のあいさつメールは、型通りのそっけないメール…そうそう…一度だけビンのフタの開け方を聞いたら、速攻で返って来た時は笑えたなぁ…」

花倉は自嘲気味に笑うと、腕で顔をおおった。

「…もう、どうでもいいや…なんか疲れたわ…何とかしないと、とか思っていた自分がバカみたい…」

やっと動くようになって寝返りをうつと、そのまま眠りについた。

東京の本社に転勤になって、三年目の出来事だった。

花倉は、27になっていた…