「うん、ウワサ・ウワサ…出所は知らないけどね…で、本当はどうなわけ?」

「ははは…全くのガセだよ、ははは…」

言えるか、そんな事…と花倉は心の中で呟いた。

自分と星川さんが付き合ってるって?ナイナイそれは、ナイって…

怒っているに違いない…

卒業も近いというのに…謝るべきだろうか…いや、変か…

ウワサとは恐ろしい…



           
 
「…え…結婚したんだ…へ、へ〜いつ?」

「え〜知らなかったの、花ちゃん?去年の春だって〜」

「そっかぁ…相手って外国の人?」

「いや〜日本の人だって〜竹本さん、式に呼ばれたらしいから詳しく聞けるかもよ?」

「そっか〜ありがとうね〜じゃあ、また電話するよ…」

花倉は電話を切ると、座っていたベッドの上に倒れ込んだ。

ボンヤリと天井を見ながら、しばらく動く事が出来なかった…

「…もう10年もたつもんな…日本帰って来てたんだ…」

呟くと、静かに目を閉じた。