竹本をふり切り、キャンパスの中庭まで逃げ切ると二人は笑い出した。

「あはは、久しぶりに全力疾走した〜」

「あはは…なんで私まで…」

「だって竹本さん、何かすごく怖く見えて…」

「必死で追いかけて来たもんね…」

竹本の形相を思い出して、また二人は笑い転げた。

空を見上げると、青い空が広がっていた…



「ひど〜い、二人とも逃げるなんて〜」

放課後、サークルで顔を合わせた竹本は花倉に文句を言った。

「追われると逃げたくなるでしょ?」

「私、鬼とか借金取りとかじゃないのに〜」

「あはは…ゴメンゴメン」

「北海道、案内&宿泊お願いね!会長」

「あ〜宿泊はムリだけど、案内はするよ…冬の北海道ハンパないよ?」

「楽しみ〜地元の人がいると心強いよ〜」

「なるほどね…」

花倉は苦笑して、旅行の話を楽しそうにする竹本を見た。

彼女がいなければ、光の庭は夢の中の話で終わってたんだよなぁ…と思いながら…