「覚えていたら、まずいって事か?」

花倉が小さく呟いた。

「ブループリントっすよ会長!この世で何をするとか決めてるんす、知っちゃうと面白くないでしょ?」

伊勢が花倉の呟きに答えた。

「ブループリント?青焼き?写真とかの?知らない方がいいのか?」

金井が疑問を口にした。

「良くは分かんないっすけど、自分がいつ死ぬとか、この人と結婚するとか…知らない方がいい情報と、そうでない物があると思うっす」

「なるほどね〜でも、知りたい情報があれば便利よね?思い出せたりすると…」

副会長の竹本が無邪気に言った。

「…自分、時々、会話の内容覚えてるかも…」

「え?会長、本当?」

その言葉に、場が色めき立った。

「うん…図書館での事はほとんど覚えてないけど、中庭に出た時、会話した内容ならうっすらと…」

「すごいじゃん、それ!」

金井が会長の背中を叩いた。