「がんばれよ〜!」

「オレもすぐ、そっちに行くからな〜!」

見送り人は手をふり、叫んだ。

男は背中にかけられた声援に、こぶしを上げて応えると、ふり返らずに光の中へと消えて行った…

どこからか美しいメロディーが流れ出し、桜の花びらが惜しみなく舞い降りて、感動の別れを演出した。

「…コテコテの演出だね…」

「笑っちゃうでしょ?演出を特に決めていないで行くと、勝手に演出されちゃうらしいよ?」

笑いをこらえ、コッソリと男は説明した。

「決めるべきね…うん、それは決めよう絶対に!」

「異議なし…どんなのがいいかな?」

二人は図書館に戻る道すがら、演出を話し合いながら歩いて行った。





「え〜では、中間世についてお話します…」

「いいぞ〜伊勢君!」

「よっ!ポスト江原〜」

「オレ美輪さんがいいっす…」

「何でもいいから、進めてくれる?」

伊勢と部員達が、ちまたで話題のスピリチュアル系の人物について語り始めたので、会長の花倉が、やんわりと突っ込みを入れた。