光の庭

「…オレが光の庭を初めて見たのは、小６の夏でした…夏休みが終わるな〜とか、うだうだして寝た晩、夢で見ちゃって…すっごくキレイな所だったから、目が覚めても覚えてて〜」　　　　　　　

その様子を部員は、温かい眼差しで見守っている…

ナゼって…このサークルに入って来る人、来る人『光の庭』の話しをすると、もれなく目をキラキラさせて話すからだ。

「…で、オレ、時々夢で見るようになって〜たまに自分の意思で動ける事もあって、庭とか図書館内探索したりとかして〜」

「それはすごいな〜伊勢君！」

部員から一斉に感嘆の声が上がった。

「そんな話しは初めてね〜？会長」

副会長の竹本が、嬉しそうに言った。

「そうだね、新しい発見だよ竹本さん」

「え？」

「…夢を見ている現実世界と、あの記憶の世界が同時に存在しているかも…」

首を傾げる竹本に、星川が仮説を話した。

「その可能性もあるね…もしそれが本当だとしたら、あの世界にアクセス出来るかも…なんて」

独り言のように、花倉は思いつきを話した。