2012
中学3年生のあたしは、この後学期から学習委員会に配属された。
自分から進んではじめたわけではない。
クラスと担任の勧めで、しかたなく・・・
といった感じだった。

パートナーは、佐藤陽平。
前学期のこの学級の委員長。
彼も、あたしと同じく推薦で学習委員になった。

「陽平」
あたしは、掃除中の陽平に呼びかけた。
「ん?」
「委員会。あたし、先に行ってるよ?」
「あ、うん」
話はそれで終了して、あたしは教室の扉まで歩き、あることを思い出す。
・・・帰宅ラッシュ。
この学校の生徒数は、合計で700人超。
その生徒が、このあたしたちのいる1階に一斉に降りてくるのだ。
この波に逆らえば、飲み込まれること間違いなし。
でも・・・
「行くっきゃないよなー・・・」
あたしは、波に逆らうようにして、紛れ込んだ。