「優斗(ユウト)起きられるかい?」 優しい低音の声が、僕の名前を呼ぶ。 「…うん。大丈夫」 僕はその問いに頷いて笑ってみせた。 そうすると彼――蒼井 亮治(アオイ リョウジ)は安心したように微笑む。 亮治はベッドから立ち上がり、窓から見えるネオンに魅入ったようだった。