校長はフゥとため息をついた後、あたしを見つめてこう言った。

「君も教師だからわかるだろ。3年生は今年受験なんだ。もしそんな大事な時期にカツアゲがバレたら?暴行事件の引き金が彼らだなんて世間体に知られたら彼らの将来もこの学校の将来も真っ暗になるだろう」

校長は長々と、自分勝手な理屈を話した。


「それなら、何の罪もない倉田くんが犠牲になっても構わないのですか」

「倉田くんだってわかっているだろう。3年の立場を考えてくれるはずだ」